繊維製品に使われる化学薬剤は1500種以上あると言われています。
工業製品としての精度を維持するため、販売量を向上させたり、美観をよくしたり、機能性を高めるために、幾重にも薬品処理をします。
例えば漂白処理について考えてみましょう。
漂白処理は着る人に清潔感のあるものを提供するという目的で使われると一般的に考えられています。実際は、布地を床に引きずった汚れ、作業している人の手垢、機械油の汚れ、工場内に飛んでいる浮遊繊維が織り込まれるなどの生産工程で布地を汚す場面が頻繁に起こるため漂白します。するとこれらの欠点はすっかり消えて、正規の製品として販売できるのです。
一方、漂白しない「生成り」の場合は以上の欠点が全て現れてしまいます。
布地は欠点があると一箇所につき20cmづつ差し引かれてしまいます。また欠点が規定以上あるとB反と呼ばれ正規の価格では売れなくなります。このため漂白しないNOCコットン製品は機械の清掃、布地の取り扱いを注意して行います。当然、時間と手間がかかります。
例えば20分で済む工程を、4時間も掛けて仕上げる物もあります。無漂白は常にリスクを抱えているのです。
(NOCパンフレットより)