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私たちの考えるフェアトレード
(C) Yuji Shinoda

 Fc Companyでは、環境と伝統文化の継承を基本に、真に平等な貿易を目指してタイ国内に住む山岳少数民族の女性たちを対象としたフェアトレードプロジェクトを行っています。また、東北タイ農村部の女性たちを対象としたプロジェクトも検討中です。

 タイ山岳少数民族支援は、現地NGO「村落教育と開発のためのアブ・アリ プロジェクト」と連携を図っています。

●村落教育と開発のための アブ・アリ プロジェクト(ABL)

プロジェクトの背景

 タイはアジアの中で、ビルマ、ラオス、中国、カンボジア、マレーシアなどの国と国境を接する国であり、タイ民族をはじめ、様々な民族から構成されています。タイにおける山岳民族は、それぞれの民族特有の言語や文化・伝統をもち、うち90%以上が山間部で自給自足の生活をおくっています。少数民族としては、ミィエン(ヤオ)族、アカ族、ラフ族、リス族、モン族、カレン族などが暮らしています。これらの民族の多くは、もともとチベットから中国の雲南地方にかけて居住していましたが、およそ100年前から、政治的、または多民族との対立の問題から、ビルマ、ラオスを経由してタイ国内へと移住してきました。

 こうした経験を経て、30から50年前から現在に至るまで、少数民族は居住地、国籍、さらに麻薬、売春、などの多くの問題を抱えてきました。近年外部との接触や人口の増加によって引き起こされた社会的変化は、人々の間にさらなる社会的競争を生み出す結果となりました。くわえて、人口の増加が山間部での森林破壊につながり、タイ政府はますます環境保護に力を入れるようになりました。そうして新たに制定された国立公園や禁猟区、森林保護などに関する法律は、現在の山岳民族の生活に直接影響を与えています。中には、土地の開墾を行ったことにより逮捕されたり、ランパーン県ヂェーホム郡パーチョー村などの場所へ移り住んだりする人々もいます。それは自らの土地を去ることによる精神的苦痛となるだけでなく、農業を行う土地がなくなってしまうという新たな問題を生み出しているのです。

 この数年における少数民族社会の変化はより厳しく、自給的な農業が出来なくなったことにより、貧困、教育の問題は依然として消えることは無く、また新しく移住してきた人々も加わり、村々で新たな問題が起きています。それらには、1)エイズ2)麻薬3)環境問題4)価値観の変化などがあげられます。共同体で助け合い、自給自足の暮らしが成り立っていた昔から、現代では生活のすべてに「お金」が必要不可欠となり、テレビ、車等が豊かさの象徴とされ、村の連帯が薄れてきました。そして現金収入を得るために都会に働きに出て村に戻ってきた人々は、価値観が変わり、村の生活を営むことが難しくなっています。彼らは借金をしてまでも便利さや快適さを求め、その返済のために児童労働や麻薬といった問題を生み出しています。幼い、または就学していた子どもたちが、都会に働きに行き、それらの知識の無いままにエイズや麻薬の問題をより大きく、また悪循環させています。

 山岳民族の多くは、街から離れた山間部に住んでいるため、通信や教育に手の届きにくい状態にあるといえます。ABLは女性や子供たち、そして青年の教育支援が彼らの生活を支えていく上で不可欠であると考えました。こうして、タイ山岳民族のコミュニティーに教育の機会をつくりだし、彼ら自身の手によるコミュニティーの自立を目指す目的で、この教育プロジェクトが始められたのです。

プロジェクトの目的

(1) 山岳民族の女性・青年・子どもたちの生活向上を目指す。また教育の機会を与える。そして、児童労働や麻薬、エイズなどの問題の最中におり、様々な機会を得られない人々に対して、それらの機会を与える。

(2) 地域共同体の連帯と自らの問題解決にあたる為のミーティング等機会の提供、奨励を行う。

(3) 女性グループ・青年・子どもの活動を奨励し、また村々のネットワークを作り、協力し、共に問題解決にあたる。

(4) 国籍問題に関し、大学等と協力して調査、問題解決にあたる。

(5) 所得向上や知識の伝達、文化伝承を目的とした、女性・青年・子どもへの職業訓練、職業開発を行う。

プロジェクトの対象

薬物中毒や児童労働、売春、HIV感染などの危険に瀕している山岳民族の子供たち・青年や女性、孤児、他支援を必要としている人々生活の向上を目指した教育の支援を行う。

プロジェクトの方針

山岳民族の生活向上を支援しながら、人々の人権を守り、個々の文化の保存につとめる。

現在活動を行っている村

1. センチャルン村 チェンライ県メースアイ郡ワーウィー地区(アカ族)

2. パンサン村 チェンライ県メースアイ郡ワーウィー地区(アカ族)

3. スーファン寮(夢の家) ホイナムイェン村
   チェンライ県メースアイ郡ワーウィー地区(アカ族・カレン族)

4. ホイナムグン村(女性グループ)
   チェンライ県メースアイ郡ワーウィー地区(アカ族)

5. パーデーン村(女性グループ)
   パヤオ県チェンカム郡ロムイェン地区(ヤオ族)

 Fc Companyでは同プロジェクトへ賛同し、可能な限りの支援を行います。中でも、女性グループを対象とした手工芸品プロジェクト、及び「夢の家生徒寮」への支援を中心として行っています。

 山岳民族は、前述の通り、社会的、経済的に厳しい状況に置かれています。中でも女性たちは社会進出もできず、苦しい生活と労働を強いられています。彼等は伝統的に優れた刺繍技術を持っていますが、現代社会への移行に伴い、その伝承も失われつつあります。

 私たちは、女性たちの自立支援と伝統技術の継承を目的とし、フェアトレードプロジェクトとして「アブ・アリ−プロジェクト」と連携を図りました。商品の企画提案を中心に、販売や交流、現地の情報提供を行っています。

 収益の一部は、村の積立金として、教育や農業、女性グループの活動資金として運用されています。

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